今年のダービーはロジャーバローズに続く荒れ模様でしたね。典さんが武騎手の持つ最年長G1制覇記録を塗り替える歴史的な日となりました。56歳でダービー制覇、凄すぎる、、。
今回のレース展開は予想通りスローペースとなりました。ただ、逃げた馬がまさかのエコロヴァルツ。シュガークンが前を取り切っていたとしたら、もう少し速いペースになっていたと思うので、1000m通過が62秒なんてことにはならなかったでしょう。メイショウタバルの回避がレースの結果に大きく左右したという感じですかね。3角でサンライズアースとコスモキュランダがスローペースを察して捲っていきましたが、結局は直線での切れ味勝負となり、前の馬がまったく止まらないような展開となりました。
勝ったダノンデサイルは今回のレース展開を完全にものにしての勝利でした。前走の皐月賞はスタート直前に典さんの判断で取消となりましたが、結果論とは言えあそこで消耗しなかったことが今回の激走につながったなと思います。やはりダービーは人馬の絆が非常に大事なレース、ずっと典さんが大事に育ててきた馬だからこそこのような結果になったと思いますね。スタートと二の脚が速く、逃げることもできたと思いますがエコロヴァルツとシュガークンに前を譲って3番手内というポジションを選択しました。典さんは普段奇想天外な騎乗をすることが取り沙汰されていますが、自分が大事に育ててきて尚且つ可能性のある馬に関しては案外王道なポジションで競馬をしてきます。人気はありませんでしたが、皐月賞では結局ジャスティンミラノ等と対戦しておらず実力が未知数だったこともあり、今思えば走る素養は持っていたなと感じました。次走以降ですが、今回の激走をフロッグ視して能力がないと見るのは危険ですね。目立っていないかっただけで世代上位の力は持っています。ただ、あまりにもきれいに行き過ぎたのは否めないので、かなりの人気になってしまうようなら疑ってみても良いと思います。距離は2000m~2400mというところでしょうか。
ジャスティンミラノは見事に出し抜かれてしまいましたね。戸崎騎手は本当にこの舞台で勝ちに恵まれないです。ただ今回の騎乗が酷いというわけでは全くなく、ペースを読んで前に出していった判断は良かったと思います。ただ結果的に捲ってきたサンライズアースとコスモキュランダにすんなりと並ばれたことで、外からサンライズアースとコスモキュランダ、内からダノンデサイル、後からシックスペンスと全方向からプレッシャーをかけられるかなり苦しい競馬になりました。やはりマークされている状態で臨むというのはルメール騎手や川田騎手ほどのトップジョッキーでもない限り難しいです。今回は負けましたが、馬は相変わらず強くて安定感があるところは見せてくれています。また、変に勝ってしまっても菊花賞に行かざるを得なくなってしまうので、ここで負けたことで得意舞台であろう天皇賞秋やジャパンカップに焦点を向けることが出来るのではないでしょうか。そちらに出てきたら今回ほどプレッシャーがこの馬だけにかかることはなくなると思うので、期待できると思いますね。
3着に来たシンエンペラーに関しては、この馬の能力を見誤っていました。切れ味勝負では分が悪いと思っていたのですが、結果的には上り2位の脚を使って突っ込んできましたね。本当はもっと前のポジションを取りたかったと思いますが、1角~2角で馬が力んでしまい、ポジションをとることが出来なかったのは痛かったですね。着順は変わらなかったと思いますが、もっとジャスティンミラノとの差を詰めることはできそうな感じでした。皐月賞では最後の最後でまじめに走ってくれないところがありましたが、今回は最後まで頑張って伸びてきており、精神面の成長を感じることが出来ました。ただやはりこの馬の得意舞台は上りがそこまでかからないタフな馬場でのレースです。凱旋門賞、この馬が取っちゃうかもしれないですね。
4着のサンライズアースは長く良い脚を使うこの馬の長所を活かすことが出来たのが最大の好走要因だったと思います。ただやはりダービーの1枠1番は侮れませんね。掲示板にはどんな人気薄でも突っ込んできています。ただ最近4着どまりなことが増えてきましたね。1枠1番だからと言って必ず買うというよりかは、1枠1番に内枠を活かせるタイプの強い馬が入った場合は鉄板候補という感じで付き合うのが良いと思いました。
5着のレガレイラは展開不向きな中で、上り最速を使って掲示板を確保しているあたりやはり強いですね。ただ現状は自分で競馬を作れないことに悩み続けるでしょう。スタートの遅さとポジションが後ろになってしまうことを克服しない限り、上りは使えるが善戦止まりというレースが続きそうですね。また、内枠もこの馬にとってはポジションをリカバリーできない死の枠なのでしょう。外枠で尚且つある程度ペースが流れそうという条件が揃えば、G1を獲れると思います。
シックスペンスは位置取り的には完璧なところにいましたが、最後はミラノに突き放されてしまいました。折り合いがいまいちで脚が溜まらなかったというのもありそうです。距離はもっと短い方が良いのでしょう。マイルから2000くらいでしょうか。また、現状はそこまで強くないので成長待ちですかね。スプリングSの競馬はまさしく素質のある走りだったので、この素質が今後成長してどうなっていくのか、非常に楽しみです。
ダノンエアズロックはあまりにもテンションが高すぎて、レース前ですでに体力を消耗しましたね。持っているポテンシャルは世代でもトップクラスなので、もっと大人になってくればこの馬の力を存分に発揮できるでしょう。モーリス産駒ですからね。気長に成長を待ちましょう。
アーバンシック、ビザンチンドリームは現状大味な競馬しかできないので、もっと競馬に幅が出るまではG1では狙えないという印象。シュガークンは血統的に秋、もしくは古馬になってから中距離、長距離路線で。コスモキュランダは中山、阪神で。ゴンバデカーブースはマイルに戻った時にという感じ。