展開的には過去2年のような異常ラップではなく、普段の天皇賞に戻ったようなスローペース。この日の東京芝は圧倒的内前有利の状況が続いており、このスローペースだとそら前が残るはという印象。
2着のタスティエーラ、3着の△ホウオウビスケッツは完全に展開の利を活かしての走り。ホウオウビスケッツは血統からは考えられないくらい東京が得意な馬であり、このペースで逃げることさえできればG1で3着にはギリギリ来れる実力であることが今回で証明。ただ何よりも驚いたのはタスティエーラの復活。飼い葉食いがかなり良くなったとは聞いていたものの、まさかここまで走るとは、、、。この激走で感じたのはタスティエーラはストライクゾーンが狭いだけでその条件で走れさえすれば安定するタイプだなということ。これまでの戦績から東京でスローペースからの上り勝負になった時に安定して走ることが出来るタイプなのだろう。今回のように内枠であればなお良し。ジャパンカップも内枠を引ければ引き続き怖い馬ではあるものの、今回の激走で人気したら手を出しづらい。
最も強い競馬をしたのはもちろんドウデュース。あのペースをあの位置取りから32.5の脚を使って差し切るのはまさに化け物。イクイノックスのライバルはこの馬しかいないなと感じる。ただ忘れてはいけないのは、今回リバティアイランドやダノンベルーガ、レーベンスティールが持っている力を全く発揮できていないこと。この馬が頭1つ抜けたような印象がどうしても植え付けられてしまったが、これらの馬が実力を発揮できたときにどうなるかという感じ。次走はジャパンカップだが、今のこの馬にとって距離延長はプラスではない筈。次も同じような競馬になると思うので差し損ねがかなり心配。軸向きではないよねという印象。
リバティアイランドはまったく理由分からず。あまりにも負けすぎでありまったく力を発揮出来ていないので、いったん度外視でいいかなという印象。次走のレース前のコメントなどを見て判断したい。これで人気が変に落ちるようであればむしろ狙い目か。これに関してはダノンベルーガも同様と見ていいだろう。
レーベンスティールは先行できなかったことが全て。あの位置からではこの馬の脚では難しい。また、やはり折り合いに不安があることを考えると前に馬を置ける内枠の方が良い。これからさらに成長してくればG1でも十分に勝てる実力馬であり、今後が非常に楽しみになった。
ソールオリエンスはやはり切れ負け。この馬の32秒台の脚は使えない。ただ左回りは良さそうなので馬場が渋った東京でならG1を勝てる可能性はある。ただやはりタスティエーラとソールオリエンスの2頭は世代を代表する馬ではあるもののストライクゾーンの狭さが気になる。
その反面ベラジオオペラはどのような展開、馬場でもある程度は走ってくるが絶対的能力がこのレベルの馬相手だと若干足りない。今年の大阪杯のようなメンバーレベルでない限りはG1だと紐まで。
ジャスティンパレスはしっかりと上り2位の脚は使っているが、最後の進路どりが厳しかった。スムーズに脚を使えていたら3着はあったが、やはり位置取りが最近は課題。展開が向かないとこれない馬になっているのでそこは留意する必要あり。