当日の馬場は稍重ではあったものの、雨がそこまで強くならなかったこと、そして東京の水はけが良すぎたことで結果的には速い馬場にはなりました。とはいえ例年の安田記念の中では遅い時計になったことでロマンチックウォリアーが勝ち切れたというのもありそう。ペース的には思ったよりも遅く、後傾ラップからの上り勝負でした。後方で競馬をした馬、そもそも上りを使えない馬にとっては厳しいレースになりましたね。
まずはロマンチックウォリアーについて。初めての競馬場であれだけのスタートを決めるのは本当凄いですね。すんなりと良い位置を取ることが出来ています。終始典さんに蓋をされる競馬になってはいましたが、そこはさすがのマクドナルド騎手、まったく焦らずに追い出しを待って脚を溜めていました。直線でフィアスプライドがたまたま寄れて進路が空いたというラッキーはあったものの、馬もそこからのGOサインにすぐさま応えて、最後はマクドナルド騎手の風車鞭で最後まで気を抜くことなく走り抜けました。本当に賢くて操縦性の高い馬ですね。マイルは短いと思っていたのですが、もしかするとゴールデンシックスティがいたからマイルにあまり参戦していなかっただけで、あの怪物がいなかったらもっとマイルを使っていたんじゃないかというくらいマイルへの適性を感じました。宝塚でも見たかったのですが、どうやら参戦しないとのこと。ならいつかマクドナルド騎手に来日してほしいと思っています。普通に勝ちそうです。
ナミュールは狙い時がここでしたね。良馬場でこその馬だと思っていたのですが、そういえばエリザベス女王杯で頑張っていたことを考えるとむしろ今回くらいの渋った馬場の方が、他馬が苦にする分良いのかもしれないですね。また、前走同様出遅れはしましたが、そこからの追走は前走とは全く違いましたね。後方から外に出してそのまま位置をあげながら脚を溜める競馬で、武騎手がこの馬の良さを引き出す競馬が出来ていました。ロマンチックウォリアーとの差はやはり位置取りでしょう。強いのは変わりないのですが、やはり位置取りが後ろになる以上展開待ちになるのがネックとなりそうです。
ソウルラッシュはこれが最大限の競馬だったと思います。時計的には今までの安田記念出走時のものとほとんど変わらないため、このくらいのタイムが限界なのでしょう。雨が足りなかったなという感じです。この馬がG1を勝つときは、マイルCSで内枠から完璧な競馬が出来て、尚且つ他の実力馬が自分の力を発揮できなかった時、というかなりの条件付きだと思います。また、馬柱的に人気が落ちることはないので、今後は妙味を考えると買えない馬になりそうです。
ここからは各馬簡潔に。
ガイアフォースは内枠からの競馬が窮屈になってしまっただけで、外枠なら2,3着馬と遜色ない競馬が出来ていたはず。また、もっとタフなペースにならないと持ち味が発揮できない。
セリフォスは外枠だったことが全て。後方で折り合わせながらの競馬に。ただ、ピークアウトしている感があり、次走から注意が必要。
ジオグリフはやはり切れ負け。ただかなり頑張っていたとは思う。札幌記念辺りに出てきたら勝てる可能性は十分にある。
フィアスプライドは坂井騎手がうまい。この馬を先行させることができたのは凄い。馬としては全力を出しての結果。
エルトンバローズはブリンカーをつけだしたりと陣営も悩んでいる様子。どちらにせよ左回りも高速馬場も合わない。
ステラヴェローチェは前すぎたし距離も短かった。何よりも雨が足らなかった。
エアロロノア、レッドモンレーヴ、コレペティトール、パラレルヴィジョン、カテドラル、ドーブネ、ウインカーネリアンはそもそもG1じゃ実力的に足りない。
ダノンスコーピオンも外枠が良くなかったか。前に馬を置ける枠に入れたら見直したい。また、良馬場の方がよいが、32秒台の上りを使えないことを考えると、時計のかかる良馬場のマイルで内枠に入ったら穴として。
ヴォイッジバブルは典型的な外国馬の結果という感じ。ロマンチックウォリアーは別次元だった。