【札幌記念2022】全頭診断

この馬は特にやる気を出せるかどうかが鍵となってきます。京都大賞典で勝つことができたのも、G1ばかり走っていた最中で急に格が低いレースに出たことで、そのギャップに新鮮味を感じて走ることが出来たと思っています。今回もレースに対して新鮮味を感じることが出来るようなら、前進してくる可能性はあると思います。

ただ既にG1以外の重賞に出ても新鮮味を感じることはなく、いよいよこの馬を走らせる条件のレースはなくなってしまったように思います。

そのような状態だと、このメンバー相手には通用しないでしょう。

この馬が好走するときは、決まって上りのかかる展開で時計がかかる馬場状況の時です。今の札幌競馬場はある程度馬場も傷んできており、パンサラッサがペースを上げることで瞬発力勝負にはならない筈です。そうなるとこの馬の好走条件には当てはまってくるでしょう。また内枠に入ることが出来たので、紛れで好走できる可能性がほんの少しだけ上がったと思います。調教もいつもより走っていますし、前進要素はあるでしょう。

ただそもそもの実力としてまったく通用する可能性の方が断然高いです。そんな馬を馬券に入れるのはリスクの方が大きいと感じます。来たら諦めるというスタンスでいいでしょう。

2000mで上りのかかるタフな馬場で行われる今回のレースは、この馬にとって最も向く条件だと考えています。また、小回りの競馬場なので逃げ馬にとって有利な条件であることは間違いありません。今回先行馬は多いですが、この馬に逃げ争いで突っかかってくるような馬はいないと思うので、比較的楽に競馬することが出来ると思います。内枠に入ることが出来ましたし、周りにテンの速い馬もいないので、自分の競馬に徹することが出来るでしょう。人気馬の中では現状一番勝つ可能性が高いと考えています。

ただドバイターフを除くと、この馬が勝ってきた重賞のレベルが低かったことは確かです。このメンバー相手に通用するのかどうかはまだ疑問です。とはいえドバイターフで勝つほどの馬なので、そこまで心配はいらないとは思います。

逃げで結果を残してきた馬ですが、パンサラッサがいることで今回は先頭を譲らざるを得ないと思います。ただ、この馬は揉まれるのが苦手というだけなので、単騎の2番手でレースを進めることが出来れば、しっかりと実力を発揮することはできると考えています。実力はこの中でもトップクラスなので、あとはどこまで仕上げてきているのか、そしてどれだけ揉まれずに競馬が出来るかによるでしょう。

ただ今回は同脚質の馬が多く、この馬が欲しいポジションが激戦区になることが予想されます。そうなると外から被されて揉まれる可能性が高いので、本音は中枠くらいが欲しかったです。

また、調教であまり本気で走らせておらず、前哨戦仕上げだなというのを感じました。とはいえまだ重賞一勝馬ということもあるので、賞金は加算していきたいはずです。なので、着狙いの競馬をしてくるのではないかなと考えています。そういう意味で言うと、単勝よりは紐として買う方が良いと思っています。ただ人気しているので妙味が薄いのが嫌な点です。

巴賞から急に走る気力が復活し始めていると感じています。この気力を維持することが出来ていれば、前進要素は多少あるとは思っています。

ただ例え実力を発揮することが出来たとしても、このメンバー相手にはやはり劣っているのが現状です。また、調教では走る気力を全く感じることが出来ず、いつものこの馬に戻っている感じがしています。そのような状態で今回のメンバー相手にやれるとは到底思えません。

香港専用機というイメージがどうしても拭えませんが、札幌競馬場は洋芝で平坦なのでシャティン競馬場と似ている点が多いです。香港で走れているならここも走れるのではないかなと感じています。

天皇賞春でも2着に入るほどのスタミナを有しているので、馬場が痛んでいる札幌競馬場、そしてパンサラッサが作り出す速い展開などでスタミナが必要とされそうな今回のレースは、必要な能力を満たしていると感じています。実績、実力ともに上位なのは間違いないので、このままの人気で行けば美味しい存在ですね。

香港の叩き台だろうと言われてはいますが、だとすればオールカマーなどを使ってきたはずです。大分早い段階で使ってきたことから、状態が非常に良いのではないかなと考えています。

ただ正直2000mは長いと感じています。特に今回はペースが流れそうなので、追走ができるのかどうかが疑問です。札幌競馬場は後方から競馬する馬には不利に働くコースなので、追走できずに後ろからの競馬になるとどうしても厳しくなるのかなと感じています。

また、札幌競馬場が香港に似ているとはいえ、やはり香港でしか走らない馬じゃないのかなとは思ってしまいますね。香港以外では勝ち切るタイプではないというのも気がかりです。

時計がかかるパワーを必要とする札幌競馬場はこの馬の適性にあると思います。前走でしっかりと走る気を出してくれれば、実力があることを前走で証明できているので、今回もやる気を出すことが出来れば前進要素はあると考えています。

ただ、良馬場や稍重になってしまうとこの馬の長所は発揮されないでしょう。前走のようにぐちゃぐちゃの馬場になった時にこの馬は好走できると思います。なので、C評価にはしますが、重馬場になったらA評価に挙げてもいいくらいだと踏んでいます。

この馬の戦績を見ると、馬場が渋った時や上りがかかるスタミナ勝負で結果を残してきています。時計のかかる札幌競馬場、速くなりそうなペースによるスタミナ勝負を考えると、この馬の適性には合うと考えています。また、2000mはこの馬が最も得意としている距離です。これらのことを考えると、この馬にとって今回の条件は適正に合ったものである思います。

ただ実力が明らかに劣っていると思います。いくら適性に合っているとはいえ通用はしないでしょう。どんな紛れがあったとしても厳しい印象です。

去年のエリザベス女王杯以降調子が悪い時期が続いていましたが、前走の宝塚記念で復調の兆しが見えてきたかなと思います。本来のこの馬の走りがしっかりと出来ればそこそこ走ってくるでしょう。

天皇賞春でも牝馬ながら好走しているのを見る限り、スタミナ勝負になりそうな今回のレースは展開的に合うと考えています。傷んでいる馬場というのもこの馬は気にしないと思うので、相対的に実力を発揮できる可能性は高いでしょう。折り合いを欠くこともないので今回もそこまで大崩れをすることは無いと思いますので、紐としては面白いかなと考えています。

ただこの馬の買い時は内枠に入った時です。この9番という枠はこの馬にとって厳しいものになるのは間違いありません。スムーズに内に入ることさえできればというところですね。

洋芝である札幌競馬場はこの馬にとって庭のようなものです。非常に得意でしょう。また、このレースはあのラヴズオンリーユーに勝った舞台であり、舞台適正は折り紙付きです。

ただ去年勝てたのは斤量による恩恵によって距離が持ったからと須貝先生がしきりにおっしゃっています。また、去年は例年よりも開幕より短い期間で行われたため、軽い馬場で走ることが出来たというのも距離が持った理由でしょう。今回は開催が進んで傷んだ馬場での開催ですし、斤量の恩恵はありません。それを考えると単純にスタミナが持たずに負ける可能性が高いと踏んでいます。実績でどうしても人気が出てしまいますが、この人気で買うのはかなり危ないかなと感じています。

時計のかかる馬場が得意なので洋芝の札幌競馬場は非常に向くと考えています。G1で2着になった実績もある通り、自分の競馬ができれば実力は通用するでしょう。

ただ同脚質の馬が今回は多く、鳴尾記念のように自分の競馬に徹することが出来ない可能性が今回は高いです。それを考えると厳しいかなと思います。

また、宝塚記念以降の長期休暇から戻ってきてから走りがバラバラになっています。今回の調教でも走りがまったくバラバラになっていて、この走りだとopでも通用しそうにないという印象を持ちました。なので、ここは厳しいでしょう。

安定感のあるタイプで大崩れはしないので、単勝は危ないかなと感じていますが、紐としてはありかなと考えています。函館競馬場で実績があることから、洋芝は得意だと思いますので、札幌競馬場は非常に向くでしょう。あとは前有利になるような展開になれば面白いですね。

ただ何となく小さくまとまった馬だなという印象はぬぐえません。重賞で好走することが出来るような実力があるとは思えませんね。外枠で距離ロスが生じてしまうのも、紛れに生じて好走する可能性が低くなってしまった感じがあります。紐人気してしまうと思いますが、少しリスクが高いかなと考えています。

前走他馬がどんどん沈んでいく中、57.5というトップハンデを背負ってもなお最後まで伸びていたところを見るに、スタミナはこの中でも随一だと思っています。今回は時計のかかる洋芝で更に傷んでいるため、スタミナ勝負になりやすいです。また、パンサラッサがいることでペースが速くなり、瞬発力勝負になりにくいというのもこの馬にとっては追い風でしょう。

勝った新潟大賞典、中山金杯ともに2000mということもあり、この距離は最も得意としているでしょう。人気的に妙味もありますし、非常に期待しています。

ただ勝ってきた重賞はともにメンバーレベルが低かったです。今回のメンバー相手に通用するかどうかは正直未知数ですね。この馬は今がピークなので、平然と通用する可能性の方が高いと踏んでいます。

早い時計を持っているタイプでは決してないので、札幌競馬場は適性があると思います。近走馬券に入っていないとはいえ、大きく崩れてはいません。後方差し勢に有利な展開になれば十分通用するでしょう。

調教もいつもと違って速い時計をバンバン出してきており、休み明けでも状態は非常に良さそうです。

ただ正直この馬をそんなに強い馬と思ったことが無いですね。オークスも後方勢に非常に有利な展開でしたし、それ以外では3着はあるものの突き抜けた成績は全く残していません。斤量の恩恵が無くなって一線級の古馬と戦うとなった時に、京都記念同様、普通に負けてしまう可能性も十分あると考えています。また、小回りの札幌競馬場は後方勢にとって不利となるケースが多く、脚質的にもあまり向いていない可能性があります。オークスの実績だけである程度人気してしまうこともあって妙味もない今、あまり狙う理由がないのかなと感じています。

マイルで戦ってきた追走力があるので、パンサラッサが作り出すペースにも問題なくついていけると思います。

とはいえそもそも2000mは距離が長いですね。体力的に持たないでしょう。また、この馬の買い時は内枠に入った時です。大外枠はもう好走する可能性が無いと思います。

スタミナが非常に豊富なタイプで、そういった展開になりそうな今回はこの馬にとって非常に向くと考えています。洋芝適性は実績を見ると分かる通りで、非常に得意としています。パンサラッサのペースにやられて先行馬が沈んだ時、この馬の捲りがはまる可能性はあると思いますね。得意な競馬場で、札幌が得意な鞍上なので人気以上に面白い存在だと考えています。

とはいえ実績を考えると、重賞ではワンパンチ足りない馬なのかなという印象が強いです。ここで勝つ可能性は非常に低いと思いますね。あとは位置取りが後ろになりすぎる可能性が高く、そうなると届かないということも考えられます。買うとしても紐でしょう。