6月4日(日)に東京競馬場で行われるG1・安田記念の全頭診断をしていきます!
全頭診断は推馬代表のpeaseが担当しております。是非予想の参考にご覧ください。
それでは早速1頭ずつ詳細に診断していきます!
全頭診断
出走全馬が重賞馬、G1馬も10頭出走という超豪華メンバーでの開催ですね。
安田記念は馬の実力ベースで決まることが多いですが、実力的に抜けた馬がおらず予想がかなり難しい印象。
ただやはり東京マイルは東京マイル巧者を狙うべきかと思います。
※馬場は良馬場を想定していますが、馬場が悪化した際の評価についても記載しています。
S評価:1頭
A評価:2頭
B評価:4頭
C評価:その他
1枠1番 ナランフレグ 評価:C
前走の高松宮記念では、昨年勝利した時と同じような競馬が出来たが4着に敗れてしまった。まだまだ走る気勢はあるものの、さすがに年齢を考えると力が落ちてきたのかなと感じた。
内でじっと脚を溜めての競馬に賭けると思うので、この枠は最高の枠だと思う。前が壁になることを覚悟してイン溜めイン突きの競馬をしないとまずマイルでは通用しないと思う。ただ、去年の安田記念で通用していなかったところを考えると、去年よりもレベルがあがる今回のメンバー相手にはさすがに厳しいと思う。
馬場に関しては悪化すれば悪化するほどアドバンテージがあると思う。
1枠2番 メイケイエール 評価:C
前走の高松宮記念では、近走の折り合いが嘘だったかのように3歳時の気性に戻ってしまっていた。さらに直線では進路を奪われたことで完全にやる気をなくしていた。
折り合いのせいでスプリントを走っているが、馬の能力的にはマイルも十分こなせると思う。とにかくこの馬の気持ちいいように走ることが出来れば爆走する可能性は捨てきれない。陣営もこの馬にストレスなく走らせるためにもハナを取る選択肢もあるとコメントしており、もし逃げることが出来れば能力を最大限発揮できるかもしれない。
ただ、この枠はかなり嫌。出足がそこまで速いタイプではなく、この馬の近くにはスタートの速いジャックドールやソダシがいるため、逃げることが結構難しくなったなと感じる。また、揉まれると余計折り合いを欠くところもあるので、とにかくこの枠は厳しい。万が一逃げることが出来たとしても、ペースを調整して逃げるということは折り合い上できないと思うので、馬券内は難しいと思う。
この馬の評価の良し悪しにかかわらず、この馬がどのような競馬になるのかで結果ががらりと変わってくると思う。この馬が逃げる、あるいは逃げ馬に絡んでいくような競馬をしてハイペースになるのか逃げることが出来ずにミドルペースになるかでかなり変わってくる。そういった意味ではこのレースで一番の注目馬。
2枠3番 ジャックドール 評価:C
前走の大阪杯では、武騎手による完璧なペースメイクによって勝利することが出来た。ゲートの出もかなり良く、スムーズに逃げの体勢に持ち込むことが出来たのも良かったと思う。ただ、完璧にはまっての勝利なので、評価しすぎるのは禁物だと感じる。
今回は初めてのマイルではあるが、かなりスピード力を持った馬なのでこなせなくはないと思う。調教の動きもかなり良く、状態面で言えば前走以上だと思う。
ただ、タフな流れでレースを作って差し馬に脚を溜めさせずに粘り切るといういつものこの馬の競馬をしようとしたときに、マイルだと大阪杯の時よりもさらに速く脚を使い続ける必要がある。そうなるとバテてしまう可能性は考えられる。ただ、それを考慮してこの馬のペースで進めると、差し脚で劣ってしまう。どちらに転んでも難しいのかなとは思っている。頑張って3着までかなという印象。やはりこの舞台ではマイラーを買った方が良い。
馬場に関してはとくに気にしないと思う。悪化しても走れるはず。
2枠4番 セリフォス 評価:B
前走のドバイターフでは、かなり折り合いを欠きながらの競馬となってしまったのが敗因。この馬は折り合いを欠いているときはまったく能力を発揮することなく負け、調子がいい時は勝ち切るというピンかぱータイプだと思った。
今回はどの程度折り合えるかにすべてがかかってくるが、調教を見ている感じかなり折り合いを欠いており、マイルCSの時よりも状態としては落ちていると感じる。また、この馬としては瞬発力を存分に活かす競馬をしたいタイプであり、それを考えると前に壁ができやすく包まれやすいこの枠は嫌なところ。実力とレーン騎手の手腕だけでどこまでいけるかというところ。
馬場に関しては、瞬発力を活かす競馬がいいので良馬場の方がやりやすいと思う。
3枠5番 ソダシ 評価:A
前走のヴィクトリアマイルでは、大外枠ではあったものの強引に番手を奪ってミドルペースで進めており、この枠からすればよい競馬はできていたと思う。ただ、途中でペースが緩みすぎたことによって結果的に瞬発力勝負になってしまったのがソングラインとの差。まあとはいえ先行するために結構足を使ったので、道中でペースが落ちるのに付き合わなければいけなかったところはある。ソングラインとの実力差は無い。
前走と違いかなり良い枠を引いたので競馬はしやすいと思う。この馬のいつもの競馬が出来れば勝てる舞台だと思うので、非常に楽しみ。古馬牡馬相手にもまったく引けを取らないスピードとパワーを持ち合わせた馬だし、スムーズに先行することが出来る安定感もある。
懸念点は当日の折り合い。ここ最近折り合いを欠くところを見せており、明け2戦目で間隔があまり空いていない今回はかなり心配。当日のパドックを注意深く見る必要がある。
馬場に関しては不問だと思う。渋っても全く問題はない。
3枠6番 ダノンスコーピオン 評価:B
前走の京王杯SCでは、前目に位置を取ることが出来たのは良かったが、かなりのスローペースだったことだ馬群が団子になってしまい、直線で前が壁になってしまった。ただ、上りタイム的には33.5が限界かなという感じもする。
出すことのできる上りタイムとしてはこのメンバーの中では劣っているが、スピードの持続力に関してはこのメンバーの中でも上位のものを持っていると思う。メンバー的にタフな持続力勝負になる可能性が高く、そうなるとかなり条件が上向いてくると思う。近走実力を発揮できていないレースが続いているが、実力は間違いなくある馬なので、それを発揮できればかなり面白いと思う。
懸念点は内枠なこと。外枠からの競馬の方が得意そうではあるので少し心配。
馬場は渋ったら評価を下げたほうが良いと思う。
4枠7番 ガイアフォース 評価:C
前走のマイラーズCでは、初めてのマイル戦でありながらむしろ折り合いを欠いていたくらい追走できており、しっかりと対応できていたと思う。上りもかなり良いものを使っていたし、時計もかなりの好タイム。一度マイルを使ったことで本番に向けた良い調整もできたと思う。
前走の走りが出来るのであればこの舞台でも問題なく走ることが出来ると思う。前走でマイラーという感じの走りがしっかりと出来ていたので、マイル実績の無さで人気が落ちているようであれば妙味的に面白い。また、良馬場の時計勝負であればより条件が向く。
懸念点は東京の急坂で切れ味を発揮できるかどうか。前走は速い上りを使ったとはいえ、平坦な京都競馬場であり、コーナーの下り坂で勢いをつけることもできたのが大きい。他馬と比べて坂で止まってしまう可能性はある。また、鞍上の西村騎手をG1で買うのはさすがに勇気がいる。下手と言っているわけではないが、G1での騎乗数が少ないので信用はできない。
馬場は時計の出る良馬場が間違いなく良い。
4枠8番 ドルチェモア 評価:C
前走のNHKマイルCでは、タフなペースに付き合いすぎてしまったのもあるし、何よりも状態面が整っていなかった。この馬の実力を出し切って負けたというわけではないので度外視で問題ない。
前走一度使ったことで体が絞れてくればこの馬の走りが出来ると思う。ただソダシやジャックドール、ウインカーネリアなどのような先行馬の古馬実力馬が揃っているのは気になるところ。2歳マイル王者ではあるが、実力的にはこのメンバーの中では劣っている印象。
馬場は渋った方が実力の不足を補えると思う。
5枠9番 シャンパンカラー 評価:C
前走のNHKマイルでは、後方にいたこの馬のような差し馬にかなり有利な展開となったことが大きかった。左回りだとパフォーマンスがかなり上がることは分かったが、実力的にはそこまで評価はできない。
今回も東京マイルということで、舞台設定的にはかなり良いと思う。折り合いも安定していて操縦性も高く、大きく崩れるということは想像できない。ただ実力的にはさすがに劣っている立場。一か八かの騎乗がないとさすがに厳しい印象。また、馬場が良になりそうなのも嫌。馬場が渋っていないと持っている脚的には通用しないと思う。
5枠10番 ソウルラッシュ 評価:C
前走のマイラーズCでは、内が圧倒的有利な中で大外枠からの競馬となった。ただ、重賞ではいつも控える競馬をしていたが、スタートを決めて先行することが出来ており、重賞においても脚質の選択肢が広がったというのはかなりの成長を感じる内容。
去年よりも位置を上げる競馬が出来るようになったことで安定感はかなり増していると思う。G1馬ではないものの実力に関しては申し分ないものを持っているので、このメンバー相手でもやれる可能性は十分にある。
懸念点としてはやはり良馬場になりそうなところ。時計勝負にも対応はできているものの、やはり渋った馬場の方がパフォーマンスは上。当日の馬場状態には要注意で、馬場が渋っているようなら評価を大きく上げるべき。
6枠11番 イルーシヴパンサー 評価:A
前走の中山記念では、直線で進路が塞がる不利があったので度外視で問題ない。直線の手応えはかなり良かったので進路が開けていれば馬券内には来ていたと思う。あまり得意ではない中山であのような競馬が出来るようになっているのはかなりの成長を感じる。
大跳びな馬なので東京競馬場の方がかなり向くタイプの馬。また、良馬場で行われそうなのもこの馬の末脚が活きると思う。去年と違って重賞でもそこそこ前目に位置付けることができようになったので、去年のように最後方からの競馬にはならないはず。人気も無いのでかなり妙味的に面白いと思う。
懸念点としてはやはり鞍上。G1では頼りない印象はぬぐえない。人気薄の馬ではあるので、思い切った騎乗をしてほしいところ。馬場は稍重までなら何とかなるものの、やはり良馬場の方が良い。
6枠12番 ナミュール 評価:B
前走のヴィクトリアマイルでは、向こう正面の不利で位置がかなり下がってしまったこと、そしてそれによってリズムが乱れてしまったことが敗因。それでも最後は脚を伸ばそうと頑張っており、あの不利さえなければ馬券内も十分にあり得た走りだった。
ヴィクトリアマイルにかなり力を入れていたと思うが、不完全燃焼で終わったことで状態面に少し余裕があるのは好材料だと思う。東京マイル巧者だと思うので、斤量を活かして自慢の末脚を炸裂できれば面白い。
ただ、馬格が無いというのがかなり気になるところ。屈強な牡馬たちを相手に競られたりぶつけられでもするとどうしても影響が大きくなる。マイルCSの時のセリフォスのような競馬が出来るのが理想だが、そんな簡単にいかどうか。
馬場はエリ女を見た感じ案外渋った馬場でもこなせそう。何なら馬格が無い分渋った馬場の方が良いかもしれない。
7枠13番 レッドモンレーヴ 評価:C
前走の京王杯SCでは、スローペースになったことで馬群が密集し、出負けした不利がそこまで影響しなかったのが良かったと思う。最後は凄まじい脚を使っていおり、瞬発力の高さを感じた。
前走見せたような瞬発力が、ペースが格段に厳しくなる今回でも使えたらかなり強いと思う。折り合いもつくので安定して脚を溜めることが出来るのも良い。
ただこのメンバー相手には実力不足感がある。また、G1のペースにいきなりついていけるかどうか疑問ではある。前走見せた強さ、そしてロードカナロア産駒ということを考えると1400mがベストな気もする。
7枠14番 シュネルマイスター 評価:S
前走のマイラーズCでは、後方で脚をじっくりと溜める、この馬が強かった時の競馬に戻しており、復調気配を感じた。最近は位置を上げようと色々工夫をしていたがかえってそれが逆効果だった可能性があると感じた。やはりじっと脚を溜めて直線に賭ける競馬の方がこの馬の良さが最大限に活きる。
今回最も得意な舞台である東京マイルなので、まず切ることはできないかなと感じる。一度使って絞れて来ると思うし、舞台を考えるとかなり上向いてくる可能性が高い。時計決着になる、もしくは上り決着になれば勝てると思う。あとは馬場が乾くかどうか。かなり荒れた馬場だった場合は評価は下げるべき。
8枠15番 マテンロウオリオン 評価:C
前走の東京新聞杯では、やや折り合いを欠いていたものの先行する競馬が出来たのは好材料。横山典弘騎手の教育が着実に成果として表れてると感じる。
去年のこの馬と違い、脚質に選択肢が出てきたのは好材料。ペースに合わせた位置取りが出来ると思う。ただやはり馬券になるためには、ハイペースになることを信じて後方待機。NHKマイルのような競馬が出来れば3着には頑張れるかもしれない。ただやはりこの馬よりも切れる脚を使える馬は他にもいるので、あえて買いたいとは思わない。来年の方が楽しみかなとは思う。
8枠16番 カフェファラオ 評価:C
前走のドバイWCでは、ずっと息の入らない厳しい競馬になってしまったことが敗因。展開がすべてだったので度外視で問題ない。
包まれることが嫌いなのでこの枠に入れたのは良い。ただ芝マイルの強豪達相手に通用するとは思えない。さすがに厳しい。
8枠17番 ウインカーネリアン 評価:C
前走のゴドルフィンマイルでは、アイソレートの作り出すペースに外々をまわしてついていったことで最後はガス欠を起こした。ただこの馬の競馬をするためにはあれしかなかったと思うので、展開のあやということで度外視で問題ないと思う。
今回はこの馬と同様、タフなペースで差し勢に脚を使わせる競馬をしたい先行馬が揃っており、この馬向きのレースになりそうではある。ただメイケイエールがどれだけ絡んで来るのかが気になるところ。メイケイエールが暴走して絡んできたらかなり嫌。また、東京新聞杯と違って今回は大外枠。このロスはかなり大きく、今回は厳しいと感じる。
8枠18番 ソングライン 評価:B
前走のヴィクトリアマイルでは、戸崎騎手の博打騎乗がはまった感はあるものの、凄まじい瞬発力を見せつけた。牝馬マイル戦線では末脚の切れ味で言えば間違いなくトップだと実感した。
大外枠はプラスではないものの、前走のように馬場が悪い内を博打的に走る必要がなくなり、他馬に包まれる心配もないという意味では良かったと思う。ただ前走ほどの信頼度はなくなった印象で、とにかく差しが活きる展開になるかどうか。差しが決まる展開となれば、面白いとは思うが、とはいえシュネルマイスターやイルーシヴパンサーの方が末脚の切れ味でいえば上だとは思う。この枠に入った以上勝ちは難しいのかなという印象。
終わりに
以上、安田記念の全頭診断でした。是非予想の参考にしてください!